〔066〕笠ヶ岳 (2,898m)

標高差:1,848m

2008年08月11日(当時59歳)


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岐阜県高山市上宝町金木戸
−−− 新穂高駐車場 笠新道登山口 杓子平 稜線分岐 笠ヶ岳山荘 笠ヶ岳山頂
登り→ 4:08 5:17 8:20 9:49 10:59 11:15
←下り 17:23 16:13 14:13 13:17 12:02 11:51
登り:7時間07分、下り:5時間32分、全行程:13時間15分(休息時間含む)
  '05年10月のリベンジとして再度、笠ヶ岳に挑む。 盆休みなので小屋は混むだろうから懲りずに
北ア三大急登である、笠新道からのピストンとする。

今日の寝床
  昨夜は新穂高の無料駐車場で車中泊としたが、標高1,000mの新穂高では結構暑かった。 今夜は対策として標高1.500mの安房峠で寝ることにした。 晩飯はレトルトカレーと
ビールで済ますが、明日の昼飯が無い。 例によって朝飯、昼飯抜きで頑張るか。

ウィキペデアより
 北は、槍ヶ岳西鎌尾根と双六岳を結ぶ東西の稜線上の樅沢岳に至り、南は岩峰で日本有数のロック・クライミングのルートを持つ錫杖岳に連なっている。 また、蒲田川の源流を挟んで、東の槍穂高連峰と対峙している。 その姿は、丸いお椀型の隆起がなだらかな稜線の上にポッカリと突き出た特徴的なものであり、
北は立山連峰、南は御嶽山からでも、一目でそれと分かる山容をしている。 山名の由来も、その笠を伏せたような
姿に由来している。

日本百名山』 懲りずに今回も三大急登の笠新道から登り、ぎりぎり? ”笠ヶ岳”のリベンジを果たす。
Road Map :高山市からR158を東進し、平湯峠を抜けてからR471、県道475から新穂高に向かう。
Route Map:新穂高から左俣林道を歩き、笠新道から杓子平を経由して山頂を日帰りピストンとする。
22分で ”左俣林道”の車止めゲートに着く。 ゲート付近の
道路脇の空きスペースに数台の車が停めてあった。ここに停めれば
20分の歩きが短縮出来る。 (この写真も下山時のもの)
4時08分、ヘッデンを付けて新穂高の無料駐車場を出発する。
8分程歩いたバスターミナルのトイレで顔を洗い目を覚ます。
(写真は下山時に撮影)
急斜面にジグを切った登山道は登り一方で息が切れる。
同じ北ア三大急登の ”燕岳合戦尾根”は急登の後に
穏やかな道が出て来る繰り返しだったので楽に登れた。
1時間09分にて ”笠新道”の登山口に着く。
既にヘッデンが要らない程に明るくなっている。
水場で再度、顔を洗いこれからの急登に対して気合を入れる。
まだ展望の利かない樹林帯を登っているが、時折、樹間から
”穂高連山”を見ることが出来た。 湿度が高く、もやっていると
逆光で ”穂高連山”はシルエットだけになってしまった。
1時間28分歩いて、やっと ”上高地”と同じ標高にしかならない。
雲海を抜けて良い天気になって来た。
このまま天気が持ってくれればリベンジが叶えられるのだが・・・
睡眠は充分取ったので体調はよろしいが、相変わらずの息切れで
牛歩の歩みとなっている。 そんな重い足取りでも先行していた
7名のハイカーを抜いている。
シモツケソウ”はアスチルベに
よく似ている。
イワシャジンが涼しげに
咲いていた。
登山口から1時間23分登り詰めてもまだ
”杓子平”への ”中間地点”でしかない。
前回も感じたことであるが、幾ら登っても登山口である ”鎌田川”が
見えており、急登振りがよく判る。 少し離れた景観は完全に
もやっており、”穂高連山”も禄に見えていない。
一望できます。”と書かれてもいても、
天気が良い時の話で、今日は不望に近い。
登山道を登っていると岩の隙間からの冷気を感じ、
岩穴を見てみると底には雪が残っており、
風穴となっていた。
ハクサンフウロ
ショウマ”の仲間
登山口から3時間登り詰めて ”杓子平”に着く。 休憩している
先行者から ”さっきまで晴れていたんだがなー” とよく聞かされる
言葉が出てくる。 ”でも、直ぐに晴れるよ!”とも言ってくれた。
記憶ではここを登り切れば ”杓子平”に出るはず。 登るに従いガスが濃くなり、リベンジが達成出来ない可能性が濃厚になってきた。
何しに来たんや!”と落ち込んでしまい疲れがどっと出て来る。
2〜3分もすれば先行者の言葉通り、ガスがすーっと流れてくれた。
前回、まったく見ることが出来なかった景観であり感激する。
左のおわん型が ”笠ヶ岳”、右のピークは ”2753m峰”、登山道は更に右のピークから登る。
ガスが又来ない内に山頂に着きたい。 景観を見て急に元気になり、休憩せずに稜線を目指す。
”杓子平”から ”2,753mピーク”への旧道がはっきり見えるが、現在の登山道は
右のピークの脇を登ることになっている。 ここに来て、この遠回りは精神的に辛い。
各地の山から見ていた ”笠ヶ岳”を初めて間近で見ることが出来た。
もうこれで下山しても良い様な気分になった。
稜線への登り途中で槍、穂高を見る。
相変わらずのシルエットであるが、同定するには充分だった。
天気さえ良ければ明日、奥穂から笠を見ていることになるはずだ。
その時は順光なので笠が綺麗に見えるはずだ。
稜線手前の展望の良い所でおばちゃんハイカー二人が休憩していたので話し込んでしまう。
テント泊で槍まで縦走するらしい。 最近のおばちゃんはパワフルだ。
シャッターを押すと言うので写真を撮ってもらった。
”笠新道”だけが急登ではない。
稜線への登りも結構足に来て挫けそうになってくる。
登山口から4時間30分にて縦走路の ”抜戸岳分岐”に着く。
前回、まったく見ることが出来たかった ”笠ヶ岳”までの道は、
こうして見えるとやたら遠いことが判る。 ”笠ヶ岳”付近だけに
常にガスが取付いているのが気に掛かる。
少し歩いて縦走路を振り返り見る。
このピークに ”抜戸岳分岐”があった。
分岐から35分で ”抜戸岩”に着く。
前回、ガスの中で見た”抜戸岩”は神秘的に
見えたが、こうして晴れた元でみる ”抜戸岩”
は大した岩ではなかった。
前回と同様の場所に
ライチョウ”君が居た。
”笠ヶ岳山荘”が見え出した頃にはガスがどんどん上がってきた。
登山口から5時間42分で ”笠ヶ岳山荘”に着く。
天場にも ”ライチョウ”君が居て、
石の上に乗り、ポーズを取ってくれた。
子供の ”ライチョウ”が可愛い!
山荘から山頂目指して最後の力を振り絞る。
登り途中から振り返り ”小笠”を見る。
吹流しはうなだれたままだった。
”三角点”のあるピークを見ると多くのハイカーが休憩していた。
直ぐに ”三角点”に移動する。
三角点のあるピークで証拠写真を撮ってもらう。 休憩はほとんど
していないつもりなのだが、前回より1時間も遅く着いている。
山頂ではガスで覆われ、これではリベンジ達成には成らないのでは?
山頂で休憩している右の御夫婦は俺より1時間半も遅く出発して、
同じ時間で着いている。 長いコースは得意だが、危険な崖登りは
大の苦手らしい。 左のおじんは槍の日帰りが可能と豪語していたので、
びっくりしてよく聞いてみると横尾にテントを張っての日帰りらしい。
そんなのは日帰りとは言わんのじゃ!
山頂でゆっくり休憩して、11時51分、下山を開始する。
途中、山荘でラーメンを食べる予定であったが、
山頂で食べたおにぎり2ヶで腹一杯になってしまい、ビール(600円)だけ呑んで下山する。
笠新道のお花は種類が多いが群生していることなく、
あちこちに咲いている感じ。綺麗と思った花だけ写真に撮る。
不完全ながらリベンジ達成とする
  山頂ではガスが多く完璧なリベンジとは言えなかったが、ガス切れ時には新穂高も見えたので、自分に優しく、リベンジ出来たと勝手に判断しておく。
これ以上を望むなら山荘に泊まって早朝の天気を当てにするしかないだろう。
下山時は
  杓子平付近で小雨がぱらつくが大してことはなく、ザックカバーだけして下りてしまう。 先行して下りに入ったが、途中で足の速い御夫婦の旦那に追い付かれ、日帰り登山の話しをしながら下山した。
今日の温泉
  バスターミナルに着いたのは17時過ぎ、無料温泉は16時までなので、駐車場の入口にある ”深山荘”に入ることにする。 昨日の下調べで入浴料500円と聞いていたが、
500円は露天風呂だけで内風呂は700円だった。 マイシャンプーは車に置いてきたので
700円の内風呂に入る。 女将からは”泊り客が多く内風呂は混んでますよ。”
と言われたが、最後まで俺一人の貸切状態であった。
泊り客は全て露天風呂から河原に出て遊んでいた。 どうりで内風呂が
空いていた訳だ。 川水は温泉が流れ込んでいるので冷たくはなく、
水着で遊んでいる子供も多かった。
駐車場から吊り橋を渡って ”深山荘”に行く。
中々雰囲気の良い宿であるが入浴料 700円は痛かった。
駐車場を出発して7時間07分、登山口から6時間で、
笠ヶ岳”のお宮のあるピークに着く。
'08年度の北アルプス遠征
8/10 8/11 8/12 8/13
位山 笠ヶ岳 前穂〜奥穂 奥穂〜涸沢岳
”新穂高”の駐車場から ”笠ヶ岳”、 ”稜線”が見えていたので、
”稜線”からも ”新穂高”の駐車場が見えていた。
標高差1,800mの高度感が凄い。
”抜戸岳”まで続く稜線を下っていく。
ガスは相変わらず切れてはくれなかったが、稜線を進むに従い、
刻々と変化して行く ”新穂高”が望めた。
現在、通行止めとなっている旧道入口には ”おりるな”の注意書き
があり、ここから下りれば相当なショートカットになるのであるが、
一人なので安全の為に諦めた。
”杓子平”を過ぎてからは ”笠新道”の急斜面を ”蒲田川”に向かっ
て急降下して行く。 自分ではかなりのスピードで下って行っているつもりだったが、走る様に下って行くあんちゃんに軽く抜かされてしまった。
”左俣林道”から下山中に見た”笠ヶ岳”。
ガスが立ち込めているものの、山頂からの展望はまだ利いている様だ。
かさがたけ
”笠ヶ岳”まで伸びる縦走尾根を見る。 後は楽チン歩きになると思えた。
2023年12月11日改定